アスパラガスの豆知識

春から初夏が旬のアスパラガス。今回は種類、栄養、保管のコツなどをご紹介いたします。

 

根を植えてから2週間で芽が出てきたところです

アスパラガスの種類いろいろ

グリーンアスパラガス

太くて短いものが柔らかいといわれ、穂先が固く締まってピンとしているものが新鮮です。また緑色が濃いものの方が一般的に栄養価に優れているといわれています。

新鮮ならば生でも食べることができ、独特の甘みとほのかな苦みが楽しめます。

ホワイトアスパラガス

グリーンと同じ品種なのですが、太陽の光に当てないよう土をかけて軟白栽培します。栽培に手間がかかる分、値段も若干お高めですが柔らかい食感が楽しめます。

紫アスパラガス

抗酸化作用のある紫色の色素成分“アントシアニン”が多い品種です。加熱すると紫色が抜けてグリーンになってしまうため、生食がおすすめです。

アスパラガスの栄養素

アスパラガスから発見された栄養成分であるアスパラギン酸は、エネルギーを作り出すときに利用されるアミノ酸で、新陳代謝を活発にして疲労を和らげる効果があります。よく栄養ドリンクにもよく配合されています。

また穂先にはルチンという成分が含まれており、血管を丈夫にする働きがあります。

このほかにも妊婦さんに必須の栄養素である葉酸やビタミンKなども含まれています。

アスパラガスの花です

美味しく食べる保存のコツ

買ってきたらすぐに茹でて冷蔵庫保管

アスパラガスは鮮度が命。特にホワイトは傷みやすいのですぐに食べないのであれば生のまま放っておくよりも、さっと茹でてから冷蔵庫で保管する方が風味は良いといわれています。

生で保存する場合には立てて冷蔵庫保存

アスパラガスを横にすると、立ち上がろうと無駄なエネルギーを使うことになり鮮度が失われてしまいます。そこで生育している時と同じように立てた状態で保管することがおすすめです。その際には濡らしたペーパータオルで切り口部分を覆い、ビニール袋に入れることもお忘れなく。

この春、我が家ではアスパラガス栽培に初挑戦しています。根を植えつけるとその年は根を太らせるために収穫を控えるのですが、翌年からは本格的に収穫が可能となります。それ以降10年以上も同じ根から収穫ができるのでコスパの良さに魅力を感じ、今から来年が楽しみです。

ミリオン管理栄養士 大森貴舟

これからが旬の「エンドウ豆」を楽しもう

エンドウ豆は、成長段階に応じて食べ方も味わいも変化する食材です。
あまり意識していないかもしれませんが、和食や和菓子によく使われる食材でもあります。これからの季節、柔らかいエンドウ豆は特に美味しくおすすめです。
今回は「エンドウ豆」のあれこれをご紹介いたします。

えんどう豆はピンク色の花です

ピンク色の花が咲きます。

豆苗、サヤエンドウ、グリーンピース、ウグイス豆はみ~んな「エンドウ豆」

豆苗(とうみょう)

意外にご存知ない方が多いのですが、スーパーで売られている豆苗は、じつはエンドウ豆を発芽させたものです。

シャキシャキした歯ごたえが特長でビタミンKが豊富です。ビタミンKは骨の形成を促す栄養素なので、骨粗鬆症が心配な方にはおすすめの野菜です。その他にも抗酸化作用のあるβカロテン、ビタミンC、妊婦に必要な葉酸なども多く含まれています。

発芽した茎葉を食した後、残りの根を水に浸しておくと再び発芽させることができ、約1週間で再収穫できるのも魅力です。このような再収穫は2回くらいできますが、それ以上ですと成長の勢いが弱くなりおすすめできません。

また冬から早春に土植えしておけば、成長して4~5月頃にはサヤエンドウを収穫することが可能です(ただし霜に合わないようお気をつけください)。3月に入りポカポカ陽気になるとツルをグングン伸ばしますので支柱やネットを張ってツルを這わせて育てていきます。

 

サヤエンドウ

関東では花が咲いた後の4~5月頃にサヤをつけ始めます。若くて柔らかいこの時期はサヤごと食することができ、それをサヤエンドウと呼びます(関東では「絹サヤ」とも呼ばれています)。

サヤエンドウには独特の臭みが少ないので食べやすく、和食の彩りとしてもよく使われます。豆苗と同様にβカロテンやビタミンKを多く含み、これらの栄養素が脂溶性なので油を使った調理法で食すると吸収効率が高まります。我が家ではゴマ油でサッと炒めてから溶き卵で“卵とじ”にするのが定番メニューとなっています。

サヤエンドウの仲間には、サヤエンドウより一回り大きい「オランダエンドウ」や、サヤがぷっくりしていてパリッとした歯ごたえの「スナップエンドウ」、糖度が高い「砂糖ザヤ」などがあります。

筆者さんの家のえんどう豆!ふっくら膨らんで美味しそう!

筆者さんの家のえんどう豆!ふっくら膨らんで美味しそう!

グリーンピース

サヤエンドウをさらに成長させると豆が太ってきます。その未完熟の柔らかい豆だけをサヤから取り出したものがいわゆるグリーンピースです。

グリーンピースのモサモサした食感や独特の青臭さが苦手という方もいるようですが、食べやすくするコツは ①新鮮なものを選ぶ ②食べる直前に豆をサヤから取り出す ③少し長めに茹でる(プラス5分位)と良いようです。

グリーンピースは脇役のイメージが強いようですが、じつは食物繊維やたんぱく質が豊富で、他にもβカロテン、ビタミンB1、B2、カリウムなども多く含まれています。大いに食卓に取り入れましょう。

エンドウ豆

完熟したエンドウ豆は、主に緑色をした青エンドウ豆と赤茶色の赤エンドウ豆の2つに分けられます。乾燥した豆は虫がつかないよう、直射日光を避けて密閉容器で保存すれば1年以上保管できます。

これらの豆は和菓子によく使われ、青エンドウ豆はウグイス豆とも呼ばれ“ウグイス餡(あん)”に、赤エンドウは“みつ豆”に欠かせない食材です。

この他にも最近は、大豆アレルギーの人の代替品として注目されるようになってきました。同じ豆類ではありますが、大豆に比べてアレルギー性が比較的低いようです。

また、アスリート向けにエンドウ豆プロテインが登場し、今後もニーズが高まりそうな予感です。

ミリオン管理栄養士 大森貴舟

春の味覚「フキノトウ」

春の訪れを告げるフキノトウは、初春に芽吹くフキの花穂です。
フキはキク科の日本原産の植物であり、フキノトウは早春の味覚として人気の和食材です。
我が家では、お正月を過ぎるといつの間にかひょっこり顔を出しているので、あまり大きくならないうちに摘み取り、天ぷらやフキ味噌で楽しむのが恒例となっています。
天ぷらにすると苦みもまろやかになりますし、ほろ苦いフキ味噌はご飯が進みます。
ただしこのフキノトウには毒性の物質が含まれているため食べる際に注意が必要です。昔から伝統的に行われてきた下処理を行えば問題ないといわれていますが、控えめがよいでしょう。

筆者さんの家のふきのとうも可愛く芽吹きました!

フキノトウの主な食効

●便通改善・消化機能の活性
フキノトウにはゴボウを上回る食物繊維が含まれています。特に不溶性食物繊維が多く、腸内で水分を吸って膨らむため、腸内の老廃物を絡めとって排出を促してくれます。
また香気成分であるフキノリドは、消化液の分泌を促進し、胃腸の働きを活性化してくれます。

●抗酸化・止血・骨粗鬆症予防
フキノトウにはビタミンEやKが比較的多く含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用がありアンチエイジングにも役立つ栄養素です。
またビタミンKは正常な止血を促し、カルシウムの骨沈着を促す作用があるため骨粗鬆症予防に役立つ栄養素です。

フキノトウの注意点

フキノトウに含まれる苦みやアクには、肝毒性のあるアルカロイドが含まれています。昔からの伝統的な下処理法として、塩を入れたたっぷりのお湯で茹でたあと、水にさらすなどの方法を行えば問題ないといわれますが、天ぷらはアク抜きしない調理法のため多量摂取は控えましょう。またフキノトウには雄花と雌花があり、雄花には花粉が含まれていますので、キク科アレルギーの方は控えましょう。

筆者さんの家のふきのとう。春の足音を感じます

管理栄養士 大森貴舟

ブロッコリーの新芽「ブロッコリースプラウト」の効果とは

スーパーでは顔なじみとなった「ブロッコリースプラウト」。
見た目はカイワレ大根に似ていますが、辛みも少なくて食べやすいと評判です。
発芽野菜のことをスプラウトといいますが、ブロッコリーの種を発芽させて新芽を食用にすることから「ブロッコリースプラウト」という名で広く流通しています。
じつはこの「ブロッコリースプラウト」には、解毒効果、抗酸化効果、アンチエイジング効果など様々な効果が報告されています。
ブロッコリースプラウト

注目の成分「スルフォラファン」
ブロッコリースプラウトに含まれる成分の中で最も注目されているのが「スルフォラファン」という成分です。
成長したブロッコリーにも含まれていますが、新芽の方が約7倍多いといわれています。
下記ではスルフォラファンの効果についていくつかご紹介いたします。
7倍!

解毒効果
スルフォラファンには、解毒や抗酸化で役立つ酵素の生成を活性化する作用が報告されています。
スルフォラファンによって生成が活性化される酵素は100種類以上。特に肝臓は解毒を行う器官であり、肝臓機能改善効果が報告されています。また、動物試験レベルですがアルコールに対する悪酔いの緩和も報告されています。

抗酸化
抗酸化に役立つ酵素の生成も活性化する働きがあることから、活性酸素を除去し、肌のシミやシワの予防、エイジングケアに期待されています。

体内で糖とたんぱく質が結合し、酸化変性した物質をAGE(終末糖化産物)と呼びます。このAGEは老化を促す物質としても知られており、体内に蓄積すると肌や臓器を衰えさせることがわかっています。
2ヶ月間にわたり高濃度のスルフォラファンを含むブロッコリースプラウトを摂食した試験では、血中のAGE濃度が減少したとの報告がなされています。

便通効果

体内の過剰な活性酸素は、排便にかかわる筋肉や腸液分泌を阻害し、便通リズムを乱すといわれます。
スルフォラファンを高濃度に含むブロッコリースプラウトを1日20g、4週間にわたり摂取したヒト試験では、便通の改善が感じられたとの報告がなされています。

ピロリ菌除去
日本人の約半数はピロリ菌に感染しているといわれ、胃潰瘍や胃がんの主な原因のひとつとなっているため駆除が重要です。スルフォラファンを高濃度に含むブロッコリースプラウトを継続摂取したヒト試験において、胃粘膜の炎症が抑えられ、便中のピロリ菌量が減少したとの報告がなされています。

食べ方のコツ

さて、スルフォラファンを効率よく摂取するための食べ方があります。
ブロッコリースプラウトにはスルフォラファンの前駆体(スルフォラファンが生成する前の段階の物質のこと)が存在しています。食事の際によく噛むことで細胞が壊れ、酵素と反応してスルフォラファンに変化するのです。そのためよく噛むことや細かく刻む調理が有効といえます。
また、反応にかかわる酵素は熱に弱いため、生で食べることをおすすめします。

美味しく食べよう
生野菜サラダなどで他の野菜と一緒にたべるのもGOOD

今回は、スーパーフードと呼ばれ、人気のあるブロッコリースプラウトについてご紹介いたしました。
食べやすく機能性が高い発芽野菜ですので是非お使いいただければと思います。

管理栄養士 大森貴舟

ネギの青い部分を捨てるのは勿体ない! 

長ネギの青い部分を捨ててはいませんか!?

もしそうなら、あなたはちょっと損をしているかもしれません。

じつは青い部分は、白い部分に負けず劣らずスゴイ成分が含まれていることをご存知でしょうか。

筆者さんのご家庭のネギ畑。ネギがキラキラ輝いています。
筆者さんのご家庭のネギ畑。ネギがキラキラ輝いています。

青い部分には、辛み成分である硫化アリルという成分が多く含まれています。硫化アリルはビタミンB1の吸収を高める働きがあり、疲労回復に役立ちます。また胃の消化液を分泌させたり、血行を良くする働きがあります。

つぎにヌルヌル。ネギ農家ではこれを「ヌル」と呼んでいて、これだけをゴクリと飲むそうです。ヌルだけを飲むのはちょっと勇気がいるかもしれませんが、意外や意外!かすかなネギの風味はあるものの辛みもなく飲みやすい粘液です。

ヌルには免疫力の要ともなる3つの物質(NK細胞、マクロファージ、免疫グロブリンA)を活性化する働きがあることがわかっています。この3つが活性化されると細菌やウイルスから身を守る力が強くなるので、風邪やインフルエンザが流行るこの季節にはもってこいなのです。

筆者さんのご家庭ネギから出るヌル。みずみずしく飲んでみたい気持ちになります。

ネギの青い部分が使い切れずに余ってしまった場合には小口切にして冷凍保存することをおすすめします。ポイントはなるべく空気に触れさせないよう、おおよそ1回分ずつラップにくるんでからチャック付きポリ袋に入れて空気を抜いて密閉することです。

保存の目安は1~2ヶ月くらいまで。長期になるほど風味や食感が悪くなってしまいますのでご注意ください。

まだまだ寒い日が続きます。こんな季節にこそ青い部分を捨てることなく丸ごと1本ご活用いただけたらと思います。今夜は彩りも鮮やかなネギ鍋はいかがでしょうか。

 

管理栄養士 大森貴舟

冬の味覚「柚子」のおはなし

冬の味覚「柚子」のおはなし

どこか温かみのある香りの「柚子」は、冬の汁物やお正月料理に欠かすことのできない食材です。

冬至に柚子湯に入れば邪気が払われ、一年間風邪をひかないという言い伝えがあり、今でも多くの日本人に親しまれています。

我が家では12月に入ると家族総出で収穫をはじめます。柚子はその可愛い見た目とは異なり、枝にはとても鋭い棘(トゲ)があって、地面に落ちた棘をうっかり踏むとスニーカーの靴底をも貫通させるほどです。そんな厄介な柑橘であっても広く人気なのは、日本人の心をほっこり温める香り高き果実だからではないでしょうか。

柚子にはビタミン類や香気成分が多く含まれ、それらには様々な健康効果が報告されています。その中で代表的なものをいくつか挙げてみました。

抗酸化作用

柚子にはビタミンC、β-カロテン、ヘスペリジン(ビタミンP)などが豊富に含まれています。これらはストレス、紫外線、喫煙、激しい運動などによって生じた有害な活性酸素を除去し、病気や老化から身を守ってくれます。

 

感染症予防効果
βカロテンには粘膜を丈夫にし、免疫力を高める働きがあります。またビタミンCには白血球の働きを高める働きがあり、へスペリジンにはビタミンCの吸収を促進する働きがあるなど、各成分が連携して働いています。

 

美肌効果
シミ、そばかすの原因であるメラニン色素は、チロシンというアミノ酸から作られます。このチロシンを増やさないよう、ビタミンCが防いでくれます。

またヘスペリジンにはお肌の構成成分であるコラーゲンの合成促進作用があります。

 

血流改善効果

白いワタの部分に多く含まれるヘスペリジンには、血管を丈夫にし、手足の末端にある毛細血管を広げて血流を良くする効果があります。ワタの部分は捨ててしまいがちですが、マーマレードのようにすれば摂取しやすくなります。

 

疲労回復効果

果汁にはクエン酸やリンゴ酸などの有機酸が豊富に含まれます。これらは疲労物質である乳酸を分解してエネルギーに変える働きがあり、疲労回復効果があります。

 

リラックス効果

柑橘系に含まれるリモネンなどの香気成分は、爽やかな香りを持ち、脳を刺激してストレスを緩和する働きがあります。アロマテラピーでは、柑橘系の香りは気持ちを明るくし、不安な気持ちを和らげてくれるといわれているようです。

さて柑橘の香気成分にはリラックス効果があるとお話しました。中でも柚子独特の香りをもたらす「ユズノン」という香気成分は、果実1個にわずか100万分の1グラムしか含まれない希少成分です。この成分は、果皮にある油胞というカプセルの中に多く存在するため、カプセルを潰すように絞ることが香りを十分に引き出すポイントといえます。そこでユズノンを十分に引き出す絞り方「南半球しぼり」をご紹介いたします。

 

「南半球しぼり」とは

柚子を真横に2つに切り、切った断面を上にして、反対側の皮の方を下にします(ちょうど南半球だけのように見えますよね)。

そのまま、皮の方から果汁絞り器でグリグリと潰せば、ユズノンが空気中に飛び散ることが少なくなり、果汁の中に溶け込んで香りをホールドできるのです。

実際の南半球絞りの様子。意外と力が必要そうですね!

柚子にはいくつか種類がありますが、これらの種類がよく出回っているようです。

本柚子

本柚子は、小~中くらいの大きさで、どんな料理にも使いやすい柚子です。果汁は少な目ですが香りは良く、中身をくり抜いて柚子釜にも利用できる重宝な柚子です。どれを買おうか迷ったらまずは本柚子をおすすめします。

 

花柚子

花柚子は一才柚子とも呼ばれ、本柚子に比べて小ぶりです。果汁が多く、皮も薄いので果汁を利用したい時に選ぶとよいでしょう。また種が少な目なので、柚子湯にも使いやすいでしょう。

 

獅子柚子

獅子柚子は、果皮が非常に厚くてボコボコした巨大な柚子です。生食には向きませんが、中身は取り除き、皮をマーマレードに利用すると美味しく食べられます。

筆者ご家庭の3種の柚子!大きさも形もみんなそれぞれ!

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今回は日本の冬に欠かせない「柚子」についてあれこれお話しました。

旬の食材は美味しさと必要な栄養を与えてくれます。ぜひとも活用していただけたらと思います。

 

執筆:管理栄養士 大森貴舟

意外と知らないショウガの豆知識

生と加熱では効果が異なるってホント!?

独特の香りとピリッとした辛みを持つショウガは様々な料理に美味しさを添えてくれる香辛料です。

じつは生で食べるのと加熱とでは効果が異なることをご存知でしょうか。

その差にはショウガに含まれている以下の2大成分の量が関係しています。

ジンゲロール

生ショウガにたっぷりと含まれている辛み成分です。血管を拡張し血流を良くしてくれます。食べた後には血流が良くなり、発汗や温かさを感じやすいのですが、血流が良い分、クーラーの効いた涼しい場所では早く血液を冷やしてしまい、かえって冷えてしまうこともあるので注意ください。この他、免疫細胞を刺激することで免疫力を向上させる効果や殺菌作用、コレステロールを下げる効果なども期待されています。

ショウガオール

ショウガを乾燥や加熱すると、ジンゲロールの一部がショウガオールへと変わります。このショウガオールという成分も血流をよくするのですが、それ以外にも体内の糖や脂肪を燃やして熱を作り出してくれるため、カラダの芯からポカポカ温めてくれます。寒がりな方には、乾燥か加熱したショウガを食べることをおすすめいたします。

 

チューブ生姜は効果があるのか?

簡単便利なチューブ生姜ではありますが、生のものに比べて有用成分のジンゲロールなどは少な目といわれています。もし同じくらいの量を摂りたいのであれば多めに(生の1.5倍位を目安に)摂取すると良いようです。

 

10月に入り、我が家の菜園はショウガの収穫期を迎えました。大きく育った根っこは黄金色がとても美しく、細かく刻んで砂糖と煮詰めた生姜糖は保存も利き、生姜紅茶、豚汁、生姜焼きなど様々な料理に使えて重宝します。冷蔵庫で余らせてしまう方は是非ともお試しください。

 

生姜
大きくみずみずしい生姜が収穫できました!
様々なお料理にも使える生姜!

 

執筆:管理栄養士 大森貴舟

サツマイモを美味しく味わう2つのコツ

育てた芋は美味しさが格別!

食欲の秋到来!!秋の味覚といえばサンマに栗に、そしてサツマイモではないでしょうか。今回はサツマイモを十分に楽しむために、まずはじめに家庭で育てられる栽培方法をご紹介いたします。

ご安心ください、サツマイモは意外と簡単に育てられます。

長さ30センチほどの茎葉をただ土に挿しておくだけで、秋には芋が収穫できるのです。肥料は不要で、痩せた土地の方が良く育ちます。

もし庭がないご家庭ならば、深めのプランターがあれば育てることができますし、最近は大きな袋の中に土を入れて育てる「袋栽培」という方法も人気です。

茎葉は、春先になるとホームセンターなどで10本300円程度で買うことができます。もしくは芋を食べずにそのまま放置しておくと茎葉がどんどん伸びてきますので、それを切って土に挿しておけばよいのです。

ポイントは陽当りのよい場所に置くことと、肥料を抑えること、そして水のやり過ぎに注意することです。サツマイモは少し乾燥気味でも大丈夫ですので、どんどん太陽に当てましょう(袋栽培の詳しい方法はネットで調べることをおすすめします)。

我が家では4月下旬に茎葉を20本植えつけましたが、いよいよ収穫の時を迎えました。ご近所さんを呼んで楽しい芋掘りイベントとなりました。

 

好みの品種を選ぶと美味しさが段違い!

さてサツマイモは品種によって味わいが違うことをご存知でしょうか。

『パサパサしていてノドに詰まるのが苦手…』と倦厭している方も、品種を選べば美味しく楽しむことができます。じつは私も胸ヤケしやすいタイプなのですが、しっとり・ねっとり系の品種を選んだらとっても美味しく食べられました。サツマイモを美味しく味わうコツは、ご自分に合った品種選びをすることも重要です。

紅あずま

東日本でよく栽培されている品種。細長い形で、赤紫色の皮と黄色い中身が美しい。繊維質は少なく、芋ご飯、焼き芋、煮物などホクホク感が楽しめてどんな料理にも使える万能さつまいもです。

紅はるか

他の品種と比べて「はるかに甘い」というのが名前の由来。しっとりしていて甘いので、パサパサやノドに詰まる感じが苦手な方にも美味しく食べられます。スイートポテトや干し芋に向いています。
安納芋

皮の色が淡黄色の「安納こがね」、赤紫色の「安納紅」など、いくつかのブランドがあります。外側に蜜が滲み出るほど糖度が高く、ねっとりとした口どけを楽しみたい方に向いています。

鳴門金時

名前の通り、徳島県鳴門市が発祥と言われています。ホクホクした栗のような食感から、焼きいものはもちろん、天ぷら、大学芋にも向いています。

アヤムラサキ

中身が紫色なのはアントシアニンという色素が多いためで、目の健康などに注目されています。甘みはやや控えめなので、砂糖やハチミツを加えて紫色を活かしたスイーツに使うと良いでしょう。

この他にも多くの品種が出回っています。あなた好みの品種を見つけて秋の味覚サツマイモを存分にお楽しみください。

サツマイモは茎も食べられ、きんぴら炒めや煮つけなどにするとシャキシャキした食感が楽しめます。サツマイモの新品種「すいおう」の茎葉には、特徴的なポリフェノールが含まれており、それが血糖値上昇を抑制するとの動物試験結果が国内の大学から発表されています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

執筆:管理栄養士 大森貴舟

寒い季節の女性の味方「クランベリー」

古くから民間治療薬として使われてきた

秋になると1センチ大のチェリーに似た実をつけるクランベリーは、北米や北欧を中心に寒冷な地域に自生するベリーです。

日本でも北海道で栽培が盛んですが、我が家の近くのホームセンターでも秋になると実をたくさんつけた鉢が600円ほどで売られています。

果実は酸味と渋みが強いため生食には向いていませんが、砂糖を加えてジャムにすると野性味のあるベリーとして美味しく食べることができます。

原産国はアメリカで、古くは先住民族が食料、染料、そして泌尿器疾患、血液の解毒、胃や肝臓の不調などの民間治療薬として使っていたとのこと。

今では研究も進み、クランベリーに含まれる豊富なポリフェノールの一種「プロアントシアニジン」が、強い抗菌作用を持ち、尿路感染症やむくみなどに有用であることがわかってきました。

尿路感染症の予防改善

 

尿路感染症は、膀胱などの尿路で細菌が増え、炎症が起こる病気で膀胱炎や腎盂炎などが挙げられます。

炎症を起こすと排尿時に痛みや血尿、残尿感などが現れやすくなります。

女性は男性に比べて尿路が短いため尿路感染症を起こしやすいといわれ、その予防と改善に抗酸化作用の強いクランベリーのプロアントシアニジンが注目されています。

またキナ酸という有用成分も尿を酸性に保ってくれて、細菌の増殖を相乗的に抑えてくれます。

むくみの予防改善

 

女性はむくみやすいといわれますが、これはふくらはぎの筋肉量が少ないことが主に原因しています。

血液は心臓から送り出され、足の方へと流れると、ふくらはぎの筋肉がポンプ代わりになって上の方へと押し戻します。しかし筋肉量が少ないとポンプ機能が弱くて、血液が滞ってむくみとなってしまうのです。

そんな方には筋トレで筋肉を増やし血流を良くすることが有効ですが、もう一つ有効な方法として腎臓を健やかに保ち、余計な水分を排出して防ぐという方法があります。

腎臓は余分な水分や老廃物を尿として排出する働きを担っています。

じつはクランベリーのプロアントシアニジンの抗酸化作用が腎臓機能のダメージ防ぎ、その結果、腎機能を健やかに保って水分代謝を良くしてくれるという報告があり、尿路感染症とともに女性の強い味方となる食材といえます。

これから寒い季節がやってきます。クランベリーを上手く取り入れては如何でしょうか。

生でも美味しく、からだにも嬉しいブルーベリー

最近はスーパーなどで生のブルーベリーが一年中、手に入るようになりました。また冷凍食品がリーズナブルな価格で売られており、益々身近な果実となっています。

ほのかな甘みと爽やかな酸味、そしてわずかに渋い皮は大人向けの美味しさといえます。

余ったときには砂糖とレモン汁を加えて煮込めばフレッシュなジャムになり、これもまた美味です。

ブルーベリージャムを洋風の肉の煮込み料理に加えてみると甘さと酸味がマッチしてより一層美味しくなります。

さて、ブルーベリーには強い抗酸化力のある「アントシアニン」という青紫の色素成分が含まれており、ビタミンCの約5倍の抗酸化力をもつといわれています。

そもそもこのような色素成分は、太陽の紫外線から自分の身を守るために作り出された成分ですが、それが我々ヒトにも役立つとの研究が数多く発表されています。

北米ワイルドベリー協会ではブルベリーの機能性について、脳の健康、心臓や消化器の健康からガン予防、尿路機能の改善、糖尿病のリスクの低下など、これらの研究を熟視しているそうです。

我が国ではブルーベリーが疲れ目や視力回復など、目に良いとの認識が広がって老若男女に大人気の素材です。視力の減退についてはその要因がいくつかあり、それらの中でどのタイプに効果を発揮するのか、またメカニズムの詳細について明らかになることを今後期待したいと思っています。