寒い季節の女性の味方「クランベリー」
古くから民間治療薬として使われてきた
秋になると1センチ大のチェリーに似た実をつけるクランベリーは、北米や北欧を中心に寒冷な地域に自生するベリーです。
日本でも北海道で栽培が盛んですが、我が家の近くのホームセンターでも秋になると実をたくさんつけた鉢が600円ほどで売られています。
果実は酸味と渋みが強いため生食には向いていませんが、砂糖を加えてジャムにすると野性味のあるベリーとして美味しく食べることができます。
原産国はアメリカで、古くは先住民族が食料、染料、そして泌尿器疾患、血液の解毒、胃や肝臓の不調などの民間治療薬として使っていたとのこと。
今では研究も進み、クランベリーに含まれる豊富なポリフェノールの一種「プロアントシアニジン」が、強い抗菌作用を持ち、尿路感染症やむくみなどに有用であることがわかってきました。
尿路感染症の予防改善
尿路感染症は、膀胱などの尿路で細菌が増え、炎症が起こる病気で膀胱炎や腎盂炎などが挙げられます。
炎症を起こすと排尿時に痛みや血尿、残尿感などが現れやすくなります。
女性は男性に比べて尿路が短いため尿路感染症を起こしやすいといわれ、その予防と改善に抗酸化作用の強いクランベリーのプロアントシアニジンが注目されています。
またキナ酸という有用成分も尿を酸性に保ってくれて、細菌の増殖を相乗的に抑えてくれます。
むくみの予防改善
女性はむくみやすいといわれますが、これはふくらはぎの筋肉量が少ないことが主に原因しています。
血液は心臓から送り出され、足の方へと流れると、ふくらはぎの筋肉がポンプ代わりになって上の方へと押し戻します。しかし筋肉量が少ないとポンプ機能が弱くて、血液が滞ってむくみとなってしまうのです。
そんな方には筋トレで筋肉を増やし血流を良くすることが有効ですが、もう一つ有効な方法として腎臓を健やかに保ち、余計な水分を排出して防ぐという方法があります。
腎臓は余分な水分や老廃物を尿として排出する働きを担っています。
じつはクランベリーのプロアントシアニジンの抗酸化作用が腎臓機能のダメージ防ぎ、その結果、腎機能を健やかに保って水分代謝を良くしてくれるという報告があり、尿路感染症とともに女性の強い味方となる食材といえます。
これから寒い季節がやってきます。クランベリーを上手く取り入れては如何でしょうか。