春の味覚「フキノトウ」
春の訪れを告げるフキノトウは、初春に芽吹くフキの花穂です。
フキはキク科の日本原産の植物であり、フキノトウは早春の味覚として人気の和食材です。
我が家では、お正月を過ぎるといつの間にかひょっこり顔を出しているので、あまり大きくならないうちに摘み取り、天ぷらやフキ味噌で楽しむのが恒例となっています。
天ぷらにすると苦みもまろやかになりますし、ほろ苦いフキ味噌はご飯が進みます。
ただしこのフキノトウには毒性の物質が含まれているため食べる際に注意が必要です。昔から伝統的に行われてきた下処理を行えば問題ないといわれていますが、控えめがよいでしょう。
●便通改善・消化機能の活性
フキノトウにはゴボウを上回る食物繊維が含まれています。特に不溶性食物繊維が多く、腸内で水分を吸って膨らむため、腸内の老廃物を絡めとって排出を促してくれます。
また香気成分であるフキノリドは、消化液の分泌を促進し、胃腸の働きを活性化してくれます。
●抗酸化・止血・骨粗鬆症予防
フキノトウにはビタミンEやKが比較的多く含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用がありアンチエイジングにも役立つ栄養素です。
またビタミンKは正常な止血を促し、カルシウムの骨沈着を促す作用があるため骨粗鬆症予防に役立つ栄養素です。
フキノトウに含まれる苦みやアクには、肝毒性のあるアルカロイドが含まれています。昔からの伝統的な下処理法として、塩を入れたたっぷりのお湯で茹でたあと、水にさらすなどの方法を行えば問題ないといわれますが、天ぷらはアク抜きしない調理法のため多量摂取は控えましょう。またフキノトウには雄花と雌花があり、雄花には花粉が含まれていますので、キク科アレルギーの方は控えましょう。
管理栄養士 大森貴舟