伝統行事とカボチャのお話

日本のカボチャは「パンプキン」とはいわない!?

もうすぐハロウィンがやってきます。ここ数年、日本では大人たちが仮装で大盛り上がりしている光景を見て、どこか違和感を感じるとともに、すっかり日本ナイズされたなと感じております。

米国に滞在していた頃、ハロウィンは収穫を祝う子供のためのお祭りであり、仮装した子供たちがお菓子をもらいに近所を練り歩く姿がとても可愛いらしかった記憶があります。一方、大人たちは国民の祝日になる「サンクスギビングデー(感謝祭)」に七面鳥を焼いて家族でお祝いする…そんなイメージがあるからです。

米国の郊外では夏も終わりになると色鮮やかなオレンジ色のカボチャ畑が所々にあって、コンテスト用なのか子供の背丈よりも大きい巨大カボチャがゴロゴロと育てられていました。

米国ではこのオレンジ色の熟したカボチャを「パンプキン」と呼び、日本で流通している西洋カボチャや日本カボチャは「スクウォッシュ」と呼ぶのだそうです。ちなみに我が国で売られているカボチャのほとんどは西洋カボチャで、特徴はビタミン類が豊富なことです。

 

寒い冬はカボチャ(スクウォッシュ)で乗り切りましょう

カボチャは秋が旬のイメージですが、収穫は真夏から始まります。

そして収穫後、しばらくおいて追熟させることで甘みが増し、味も濃厚になってきます。

涼しいところなら数ヶ月保存が効きますので、お安いときに新鮮なものを購入して長期保存しておくとよいでしょう。

ちなみに選び方のポイントは、色が濃くて表面が堅くしまり、叩いたときにコツコツと音がするものがおすすめです。また、ヘタがしっかり乾燥したら食べ頃サインです。

我が国でも昔から「冬至」にカボチャを食べる習慣があります。これは保存が効き、ビタミンが多いため、寒い冬に風邪を跳ね除け、健康に乗り切ろうとする先人たちの知恵といえます。じつはビタミンEは野菜の中でトップクラスの含有量を誇っています。

ビタミンEは血行をよくし、抗酸化作用があります。また黄色い果肉にはカロテンやビタミンCが多く、これらを一緒に摂取することで抗酸化作用も相乗的に働きます。

さらにカボチャの種やワタにも栄養がたっぷりと含まれており、果肉よりもワタの方がカロテンが多く、種はヒトの体では作ることができない必須脂肪酸のリノール酸が含まれています。捨ててしまうには勿体ないと思いませんか。

そこで今回は種とワタをそのまま使った簡単レシピをご紹介いたします。

かぼちゃ

【カボチャの種とワタのスパイシー揚げ】

・カボチャの種とワタ 1/4個分 70~80gくらい
・小麦粉 大さじ2
・マヨネーズ 大さじ1
・カレー粉 小さじ1
・サラダ油 適宜
・塩 少々

【作り方】

①カボチャの種とワタ、小麦粉、マヨネーズ、カレー粉をボールに入れてよく混ぜ合わせる。
もし種が気になるようならビニールに入れて軽く麺棒で叩いたものを使うとよい。
② ①をおせんべい状に成形する。
③ フライパンにサラダ油を入れて揚げる。※低温でゆっくり揚げるのがポイント。
④塩をふってお召し上がりください。

 

コラム:栄養管理士/大森貴舟