沖縄おばあ直伝!超簡単料理「ニンジンシリシリ」
こんなに簡単で、しかも美味しいニンジン料理があったとは…。
10年ほど前のこと。島で出会った民宿のおばあがササっと作ってくれたニンジン料理が今でも忘れられません。
その名は「ニンジンシリシリ」。作り方も至ってシンプルです。
まず、ニンジンを千切りスライサーに似たシリシリ器という道具ですりおろし、それをツナ缶と一緒に軽く炒めて、しょうゆ、コショウで味付けするだけの簡単料理です。
最近は沖縄物産展などでシリシリ器が売られていますが、一般家庭用の千切りスライサーやピーラーで十分代用できます。
当時、ニンジンがそれほど好きではありませんでしたが、あまりに美味しくて、1本分をペロリと平らげた私を見ておばあは笑っていました。
それからというもの、自宅でも緑黄色野菜がちょっと不足しているなぁと思う時には、これがとても重宝しています。
ニンジンシリシリ(2人分)
【材料】
・ニンジン(中) 1本
・ツナ缶 1缶
・しょうゆ 適宜
・コショウ 少々
【作り方】
①ニンジンは皮をむかず、そのまま太めの千切りスライサーで長さ4センチくらいの千切りにする。もしくはピーラーで薄く長く帯状に削る(私は食感が良く、満腹感があるピーラーで薄く長く帯状に削る方が好きです)。
②ツナ缶をオイルごとフライパンに入れ、①のニンジンを加えて1~2分ほど軽く炒める。
③火を止める直前にしょうゆ、コショウを加えて出来上がり。
じつはこの料理、ニンジンの栄養価を最大限に活かせる調理法なのです。
その理由は2つあります。
まず1つ目は、皮も食べるということ。
ニンジンにはベータカロテンというオレンジ色の色素成分が豊富に含まれていますが、内側よりも外側の方が約2~3倍も多く含まれているため、外側の皮の部分こそ食べていただきたいのです。
ちなみにベータカロテンは抗酸化作用や免疫賦活作用が有名ですが、体の中に入ると、必要な分だけビタミンAに変換し、ビタミンAとしての働きも担ってくれるお役立ち栄養素なのです。
2つ目は、加熱しているということ。
ニンジンは生で食べるより、加熱することで吸収率が約2倍もアップします。
また生のニンジンにはアスコルビナーゼという酵素があり、他の野菜のビタミンCを壊してしまう働きがあるため、加熱して酵素の働きを止めると良いのです。それには水などで煮るのも良いのですが、ベータカロテンが油に溶けやすい脂溶性の成分なので、油と炒める方が吸収もずっと良くなります。
緑黄色野菜不足を感じた時には、是非とも超簡単な「ニンジンシリシリ」は如何でしょうか。