カラダにおいしい「台湾烏龍茶」のすすめ

烏龍茶とはどんなお茶

烏龍茶と聞くと、茶色くて渋いお茶をイメージする人が多いかもしれませんが、質の良い烏龍茶は、花や果実のような甘い香りがして飲む人に感動を与えてくれます。

この香りは、摘んだ茶葉をしばらく置く「発酵」という工程の中で生まれ、茶葉のポリフェノールと酵素が反応することによります。

ちなみに烏龍茶は微発酵もしくは半発酵させるのですが、発酵度合いが進むと花のような香り⇒若い果実の香り⇒乾燥した果実の香りに変化するといわれています。

したがって台湾烏龍茶は若い茶葉を微発酵させるのが主流なので花の香りが、中国烏龍茶は成熟した茶葉を半発酵させるのが主流なので果実の香りが多いようです。

品質の善し悪しは、発酵技術はもちろんのこと、茶畑の環境、摘み手の技術、品種なども影響するといいます。

台湾の烏龍茶

台湾の烏龍茶

台湾の烏龍茶は、発酵度合いが低い微発酵で作られることから、色も緑茶に近く、日本人には飲みやすい烏龍茶といわれます。

台湾産の烏龍茶というと「高山茶」が有名ですが、その名の通り、標高の高い茶畑で育った烏龍茶のことを総称してそう呼びます。一般的には標高が高くて寒暖差があればあるほど甘い香りと高原の爽やかな味わいの茶葉になるとのこと。

高山茶には、梨山茶、阿里山茶、合歓山茶などが人気ですが、特殊なお茶に東方美人という烏龍茶があります。このお茶はハチミツや果物のように甘く優雅な香りを放ち、魅惑の烏龍茶といわれています。驚くことにこの香りの正体は、ウンカという虫が茶葉を食害したときに、その虫を追い払おうとして茶葉自身が放つ香気成分だとか。よく、蚊はレモンなどの柑橘系の香りを嫌うといいますが、ウンカが嫌いなこの香りこそ、我々人間には魅惑の香りなのです。

このほかにも標高は梨山茶、阿里山茶ほど高くはないものの、土壌が良い凍頂山の「凍頂烏龍茶」は、ふくよかで重厚感のある味わいが人気です。

台湾

烏龍茶の効果効能

烏龍茶にはポリフェノールやカテキンが含まれており、様々な健康維持に役立つことが報告されています。上手く食生活に取り入れ、健康にも役立ててはいかがでしょうか。

 

●脂肪の吸収を抑える

烏龍茶には発酵過程で作られる特有のポリフェノールが含まれています。この烏龍茶ポリフェノールが、カラダに脂肪をつきにくくしてくれます。

詳しくいうと、食事から摂取された脂肪分は小腸でリパーゼという消化酵素の作用を受け、カラダへと吸収されていきます。そのリパーゼの働きを抑えるのが烏龍茶ポリフェノールなのです。吸収されなかった脂肪分はそのまま排出されることになります。もし油っぽい料理を好む方は、食事のお供に烏龍茶をおすすめいたします。

 

●コレステロールを抑え、生活習慣病を改善する

烏龍茶に含まれるカテキンにも胆汁酸の分泌を促進し、コレステロールを抑えて生活習慣病を予防する効果があります。
血中コレステロールを高いまま放置していると、血管壁にコレステロールが付着し、動脈硬化の要因となります。これが進行すれば心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが高まります。

特に脂身や内臓系の肉料理、アルコール、菓子や間食が好き方には烏龍茶をおすすめいたします。

●抗酸化作用

烏龍茶ポリフェノールには、活性酸素を除去するSOD酵素を活性化させる働きがあります。活性酸素はカラダに侵入しようとするウイルスや細菌などに攻撃をして退治します。しかし過剰に増えると正常な細胞まで攻撃し、各細胞やDNAを傷つけてしまいます。

特に強いストレス下にいるとき、不規則な生活習慣、喫煙、紫外線、過酷な運動などで増加してしまいます。

そのほかにも、花粉症や虫歯などにも有用との報告があり、今後も研究報告が期待されます。

最近は台湾烏龍茶を扱うお店が増えてきました。またネットショップでは台湾烏龍茶専門店などもあり、自分の好みの烏龍茶を見つけてはいかがでしょうか。ティータイムがさらに楽しく健康的になると思います。

 

管理栄養士 大森貴舟