骨粗鬆症やカルシウム対策に「大人向け粉ミルク」
言葉のギャップでプチブーム!?
「粉ミルク」といえば「赤ちゃん」を連想しますが、最近は大人用の粉ミルクが流行っているのをご存じでしょうか。
商品化のきっかけはカルシウム不足や食の細いシニアが栄養補助にと乳児用の粉ミルクをひそかに愛飲しているとの話がヒントとなりメーカーが商品化をはじめたとのことです。
そして「大人向け」という言葉のギャップもウケて2017年秋頃から様々なメディアにも取り上げられて今や新カテゴリーとして成長しつつあります。
牛乳の摂取状況を調査
当社で牛乳の摂取状況について聞き取り調査したところ、育ち盛りの子供がいるご家庭では牛乳を常備している率が高いのですが、単身世帯や高齢者だけの世帯では1パックを賞味期限内に飲み切ることが大変で、また重たい牛乳パックを買って帰るのがおっくうとの理由で購入の機会が減っていることがわかりました。このような状況から賞味期限が長くて持ち運びも楽な粉ミルクは有用といえるかもしれません。
粉ミルクはどんな味?
しかし毎日続けるには何といっても味が大切です。そこで大手メーカーから出されている大人向け粉ミルクをいくつか試してみました。その中には親しみやすいミルク風味のものもありますが、人工甘味料や香料が強くてミルクとはほど遠い商品もありました。またDHAが入っている商品には魚臭さを感じるものがあり、毎日続けるにはちょっと厳しいかもと感じるものもありました。
味は好みがあるのでどれが一番ということは言えませんが、ただどの商品にも共通するマイナス面としては『40℃くらいのぬるま湯か水に溶かして』飲まねばならないという制約があり、寒い季節に熱々で飲みたい私にとっては美味しく飲めないことにがっかりです。
ぬるま湯でなければならない理由としては、熱湯だと粉が溶けにくくなりダマになりやすいとか、熱に弱い栄養素があるから…などの理由と思われます。しかし一般的にドリンクは、熱いか冷たい温度に美味しさを感じるものです。したがってぬるま湯というのはなんとも残念なお話だと思うのです。
カルシウム量をきちんと比べてみましょう
もし皆さんがカルシウム補給のために粉ミルクを飲もうとするならば、その量をきちんとチェックすることをおすすめします。
じつは大人向け粉ミルクの中には案外少ない商品があります。
『牛乳コップ1杯分のカルシウムが摂れる…』と書いてあってもコップの大きさが100mLなのか200mLなのかで差が出ますよね。そこが宣伝広告のトリックなのでご注意を。
またカルシウムと言っても乳由来のカルシウムではなく貝殻由来のものもあるので原材料をチェックしてみてください。
ところで牛乳1杯200mLに含まれているカルシウム量は約220㎎。そして18歳以上の成人女性の1日あたりの推奨量は650㎎※です。
日本人はカルシウムが不足しがちといわれ、特に女性は年齢を重ねるにつれて骨粗鬆症の不安が増加します。そんな方々のサポート商品として『大人向け粉ミルク』をご紹介しました。
※参考:日本人の食事摂取基準2015年版
管理栄養士 大森貴舟
2019年10月11日 3:15 PM | カテゴリー: 病気体質を改善する栄養成分