遺伝子組み換えは、安全か?分かりにくい、日本の遺伝子組換え表示
日本は世界でもトップクラスの「遺伝子組換え消費国」と言われているのをご存知でしょうか?
日本では遺伝子組み換え作物の生産は禁止されています。
しかし、日本は自給率が低く、とうもろこしや、大豆などのほとんどを、遺伝子組換え作物の栽培が盛んに行われている国々からの輸入に頼っています。
今回は、この遺伝子組み換えが本当に安全かどうか?を、題材にしたいと思います。
①企業による「遺伝子組み換え表示」に対する署名運動
ある企業では、「遺伝子組み換え食品は安全性審査が不十分あり不安である」と訴えています。
その為、EU(欧州連合)並みにすべての遺伝子組み換え食品・飼料への表示を義務付け、消費者の「知る権利」、「選ぶ権利」をきちんと保障することを求める。と言った署名運動が、行われているほどです。
また、大手食品会社でも遺伝子組み換え原材料を使わないことを表明している企業もあります。
現在、日本で販売や流通が認められている遺伝子組換え作物は8つあります。
・とうもろこし
・大豆(枝豆、大豆もやしを含む)
・ばれいしょ
・菜種
・綿実
・アルファルファ
・てん菜
・パパイヤ
しかしこれ以外にも、日本の遺伝子組み換え表示制度には、抜け道があり表示対象外の原料がたくさんあります。
私たちが日ごろ食べている食品に遺伝子組み換え原料が使われ、知らぬうちに口にしているのです。
食肉生産の飼料には多くの場合、とうもろこしや大豆が使われており、これらはほぼ全量、遺伝子組み換えとも言われています。
そして、とうもろこしや大豆は、油のほかにもしょうゆや醸造酢にも使われます。
その他にも、コーンスターチや果糖ブドウ糖液糖、乳化剤、カラメル色素などといった、加工食品の表示でよく見かける原材料や添加物にも幅広く使われています。
そしてこれらは、遺伝子組換え由来の原料である可能性がとても高いものですが、その表示義務は日本にはありません。
②品種配合と、遺伝子組み換えの違い
どちらも優れた品種を作り出すために、植物や動物の品種を交配させるかけあわせることですが、違いはどのようなモノでしょうか?
●品種改良(ひんしゅかいりょう)とは
人類は古くから行ってきた、作物や家畜などにおいて、より人間に有用な新しい品種を作り出すこと。
従来の交配が同じ種(稲と稲など)、または近縁の種(ロバと馬など)同士の掛け合わせ、突然変異を発生させる手法などを用います。
●遺伝子組換え作物(いでんしくみかえさくもつ)とは
遺伝子の組み換えによって、作物、家畜などの新品種を創出すること。
遺伝子組み換えでは、ほうれん草の遺伝子を豚に組み込んだり、猛毒を合成するサソリの遺伝子をキャベツに組み込むことも可能です。
※GM作物、GMOとも呼ばれることもあります。
③世界各国の「遺伝子組み換え」に対する動き
◆米国
空気に触れても茶色く変色しにくいという、「遺伝子組み換えリンゴ」に続き、2倍のスピードで成長する「遺伝子組み換え鮭」が承認され、表示を求める動きがものすごい勢いで広がっています。
その動きを背景に、ついに米国では初めてバーモント州で遺伝子組み換え食品表示が行われることが決まり、今年7月1日から施行されます。
また、スーパーなど8000を超える店舗が、遺伝子組み換え鮭を取り扱わないことを宣言しています。
◆EU(欧州連合)
EU加盟国における遺伝子組み換え作物の栽培は、2017年時点では、スペインとポルトガルにおいてのみ栽培されています。
かつてはフランスやドイツ、ルーマニアなどでも栽培されていましたが、EUでの栽培国は減少する傾向にあります。
商品化された遺伝子組み換え作物には、流通記録の5年間保持、表示義務が課せられます。
表示は、遺伝子組み換え体に由来するDNAやそのDNAが作るタンパク質が、最終製品中に存在するか否かに関わらず、遺伝子組み換え体から生成されたすべての食品に義務付けられます。
これにより、精製油のような加工食品や、食品添加物、飼料などについても表示が義務付けられています。
資料)バイテク情報普及会 遺伝子組み換え世界各国の法制度
④日本政府の発表
「遺伝子組み換え食品は私たちのすぐ身近にあり、しょうゆや食用油は、製造の過程で酵素分解や加熱、精製などによってこれらが分解、除去されます。
ですから、遺伝子組み換え作物を使ったかどうか判別がつかないので、表示の義務がありません。
また、遺伝子組み換え作物が重量割合で上位3位までの「主な原材料」に当たらない加工食品は、表示が省略できることになっています。
そして、混入率5%以内なら「遺伝子組み換えでない」と表示できます。」
としています。
参照)消費者庁 遺伝子組換え食品に関する事項
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/pdf/foods_index_18_170901_0012.pdf
これが日本での動きであり、遺伝子組み換え企業やその影響を受けた政府機関は遺伝子組み換えは健康に害を与えず、安全だと宣伝しています。
しかし、その安全の根拠には根本的な疑問がつきつけられています。
その「安全という根拠」は遺伝子組み換え企業自身が行った実験データなのですが、そのデータの詳細は一般には公開されていません。
これまでに何十、何百という動物実験が実施されており、そのいずれにおいてもGM作物と健康への悪影響の因果関係は認められていません。
といったコメントが添えられているに過ぎません。
⑤日本の今後の動きは?
世界各国、遺伝子組み換えについて消費者から不安の声があがり、表示が義務づけられるように動きはじめています。
遺伝子組み換え食品は、誕生から約20年です。
慢性的に摂取しつづけた結果、人体にどのような影響が出るかは、まだ証明されていません。
輸出元の、米国などでは遺伝子組み換えの表示義務が訴えが進んでいるのに対し、我が国日本では一部の企業が訴えているだけに過ぎないのです。
ほとんど表示されない、日本の遺伝子組み換え食品表示制度だけが、取り残されています。
日本の消費者は事実上、食品の中身を知る権利も、選ぶ権利もないのです。
今後、遺伝子組み換え食品はますます研究が進み、輸入品も増える事でしょう。
安全の保証がないものを、ご家族に食べさせ続けることができるでしょうか?
現在、健康食品の業界でも薬機法(薬事法)や健康増進法などの法律が厳しくなってきています。
消費者である私達が、きちんと訴え続ける事で日本の遺伝子組み換えに対する表記も強化することが出来るのではないでしょうか?
今後も私達ミリオン株式会社は健康食品会社として、消費者が安心して購入できる商品を提供できるよう、邁進していきたいと考えております。
2019年2月28日 12:12 PM | カテゴリー: 危険な食環境から身を守る