ダイエットすると臭くなる?ニオイ発生のメカニズムを解説
大人気の糖質制限ダイエットは特にご用心
たくさんのダイエット法がある中で、今、人気の糖質制限ダイエット。
糖質というと砂糖はもちろんですが、ご飯、パン、麺といった糖が連なった炭水化物を含む食品も制限する食事法です。
しかし思わぬ弊害に見舞われることがあるのをご存じでしょうか。そのひとつが今回お話しする体臭の発生です。

なぜ糖質を制限するのか
糖質は我々が体を動したり、臓器を動かして生命を維持するためのエネルギー源として利用される栄養素です。
しかしエネルギー源として使いきれなかった余分な糖は脂肪に変換されて体内に備蓄されます。
そこで糖質の摂取量を減らすことで脂肪の蓄積を防ぎ、さらに糖質が血中に無くなってくると備蓄していた脂肪を燃焼させてエネルギーを作り出そうとする仕組みを利用してダイエットしようというわけです。

体臭発生のメカニズム
じつはこの糖質制限をハードにやるほど、口臭や体臭が発生しやすくなります。この時に発せられるニオイを「ダイエット臭」と呼ぶことがあります。
ニオイというのは鼻が慣れてしまうのでなかなか気づきにくく、このようなダイエットをしている方は特に注意が必要です。
ではなぜニオイを発するのでしょうか。そのメカニズムについて解説していきましょう。

メカニズム1:
脂肪は燃焼される前に「脂肪酸」へと分解され、燃焼炉の働きをするミトコンドリアへと運ばれます。
しかしダイエットによって代謝が低下している状態の時には、上手く燃焼させることができず、不完全燃焼を起こして余分な脂肪酸を増加させてしまうことがあります。
この「脂肪酸」は不快なニオイの元となり、毛穴を通じて体外に出ると油っぽいニオイを発生させます。
メカニズム2:
代謝の低下が続くと血行も悪くなります。すると血液が運ぶ酸素の量も少なくなり、ミトコンドリアは酸素不足の状態で必死に燃焼をさせようとします。すると乳酸という物質が作られます。
この乳酸はアンモニアと一緒に汗として排出されますが、ツーンとするアンモニア臭をより強くしてしまいます。
メカニズム3:
さらに脂肪酸が体中に増加していくと「ケトン体」という強烈なニオイ物質を合成します。それが血液を巡って呼気、汗、尿などに出てきてツーンと鼻をつく酸っぱいニオイを発生させるのです。
ニオイを防ぐにはコレ

ダイエット臭を防ぐにはハードな糖質制限を避けることが一番です。
糖質は人体にとって必要な栄養素ですので、不足はダイエット臭を発するだけでなく、臓器の働きも低下させてしまうのです。
また水分をしっかり摂って作ってしまったニオイ物質を汗や尿から排出させるよう心掛けましょう。
さらに糖質制限ダイエットに限った話ではありませんが、ダイエット中は食事量が少なくなるため、お通じの出が悪くなります。
古い便が腸内に溜まると悪玉菌が活性化し、悪臭物質をたくさん作るようになります。それが体を巡って毛穴や呼気などからも発せられるようになります。
そんな時には食物繊維をたくさん含んでいる野菜、キノコ、海藻を摂ることがおすすめです。何事もニオイの元は早く排出するよう心掛けましょう。
加えて、有酸素運動もお忘れなく。これは代謝の低下を防ぎ、血流改善に役立ちます。脂肪燃焼に必要な酸素を運んでくれますし、発生したニオイ物質の排出にも役立ってくれるのです。
今回はダイエットと体臭についてお話しをしましたが、普段あまり意識していなかったという方も多いはず。是非とも周囲に配慮した爽やかなダイエットを実践していただきたいと思います。
2018年9月14日 9:44 AM | カテゴリー: 病気と肥満の関係性