万病撃退! 腸が免疫の鍵
今年1月14日に放送されたTV番組では「腸内細菌」の驚くべき働きが取り上げられ、今話題となっています。ウイルスなどの外敵から身を守る力を「免疫力」と呼びます。
これは「免疫細胞」がきちんと働かなければ効果を発揮できませんが、免疫細胞を活発にするのがじつは腸内細菌で、その一方で過剰反応して暴走する免疫細胞をしずめる物質も作ってコントロールしているという内容でした。
免疫細胞って何?
免疫細胞は、ウイルスなどの敵が体内に侵入した際に戦士となって闘ってくれる細胞です。
しかし、ときに過剰反応してしまうことがあり、正常な細胞までも攻撃して傷つけてしまいます。
この現象を「アレルギー」と呼ぶのですが、花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などは免疫細胞の過剰反応で起こる病気です。

免疫細胞の暴走をしずめる腸内細菌
番組中では、激しいアレルギー症状に苦しむ二人の女性が紹介され、ひとりは自分の汗や涙、毛髪、花粉、食品など身の回りのあらゆるものに対して全身にアレルギー症状を起こしてしまう、もうひとりは暴走した免疫細胞が脳細胞を攻撃し、手足のしびれや震えが起こって歩行困難になってしまったというものでした。
二人とも違う病名ではありますが、原因は免疫細胞の暴走によるもので、彼女たちの便を調べてみると、ある特定のクロストリジウム菌という腸内細菌が健常者に比べて少ないことがわかりました。その後の研究で、この腸内細菌は免疫細胞の暴走をしずめる役目を果たすTレグ(制御性T細胞)を増やすことがわかったのです。
有用な腸内細菌を増やすとアレルギーが治まった
番組は続いて、アレルギー症状を持っている僧侶たちの生活について取り上げています。
寺での修行中にはなぜかアレルギー症状が治まるという人が多いというのです。
そこで修行僧の便をこれまた調べてみると、予想通りクロストリジウム菌が多いことがわかり、専門家は修行僧の食事には食物繊維や味噌、漬物などの発酵食品が多く含まれているため、それが有用な腸内細菌を増やしたのではと語っています。
修行僧のような精進料理ばかりではいられない私たちは、意識して有益な腸内細菌を増やす努力が必要でしょう。
腸は免疫の指令本部、腸内細菌は司令官
例えると、免疫を司る指令本部は腸であり、司令官は腸内細菌、戦士は免疫細胞であることがお分かりいただけたと思います。
これらがうまく機能することで、ウイルスなどの外敵から強くなり、また暴走しやすい免疫細胞をしずめて過敏に反応しすぎない良好な体が保てるというわけです。
風邪をひくとすぐ病院の抗生剤に頼ってしまいがちですが、抗生剤はこのように有用な腸内細菌も減らしてしまいます。
なるべく減らさないように腸内環境を改善する健康食品を利用したり、腸内細菌が住みやすい環境となるよう食物繊維や発酵食品を多く摂取するよう心がけましょう。
腸内有益菌の代表?乳酸菌?
番組ではクロストリジウム菌にフォーカスを当てていましたが、健康維持に有用な腸内細菌は他にもまだまだたくさんあります。
代表的なのが「乳酸菌」です。じつはこれも一種類ではなく、複数の仲間が存在し、一口に乳酸菌といっても、その働きは種類によって様々です。
例えば、免疫調整作用、便通作用、血圧調整作用、抗腫瘍作用、花粉症のアレルギー緩和作用・・・などが研究によって次々に見い出
され、医薬品や健康食品に利用されています。これら有益な乳酸菌たちは、すでに腸内に住んでいる善玉菌を元気にし、腸内環境を改善してくれる働きが基本的にあるため、
毎朝のお通じがスムーズになったり、強烈だった便のにおいが緩和されたりと、腸内がより健やかになったことを感じ取れることでしょう。
選ぶポイントとしては、なるべく複数の乳酸菌が配合され、かつ、菌数が多い商品がおすすめです。
単一の菌種でも効果は期待できますが、複数の菌種を摂ることで効果が相乗的になることがあります。
またお客様の中には、同じ菌種ばかりを飲んでいると腸が慣れてしまい、効果が弱くなったと感じる方がいるようで、
そんな方には他の菌種も入った商品をおすすめしています。自分と相性の良い菌種に出会うチャンスを増やすためにも多種菌の商品を上手に利用しましょう。
2018年7月27日 11:54 AM | カテゴリー: 病気にならない食事の仕方