野菜不足で起こる油断できないトラブル

むかし、野菜不足による病気には深刻なものが多くありました。

ビタミンBの不足によって起こる脚気は神経炎、しびれ、心不全をもたらします。
ビタミンC不足が原因の壊血病は生野菜を手に入れることが難しかった船乗りを悩ませるものでした。
免疫低下に粘膜の出血、歯の欠落に貧血と、壊血病の症状は深刻です。

これらの病気については、いまでは目にすることもほとんどなくなりました。
現代人の食生活や栄養条件は確実に進歩していると言えそうです。

とは言え、「現代人は野菜不足」という声もよく聞かれるもの。本当に現代人には野菜が足りていないのでしょうか?

実際になにを食べていますか?

では、普段の家族の食事を考えてみましょう。
野菜は充分足りていると言えるでしょうか?

昼食は急いでいるから牛丼かラーメン、またはハンバーガー。
月イチのごちそうといえば寿司か焼肉
そんな食生活に心当たりのある方も少なくないのではないでしょうか。

簡単に外食できるようになった分、食事のバランスが野菜不足の方向に偏ってしまっているのが現代の食事なのです。

野菜不足で起こる健康トラブル

野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維など、健康な肉体を維持するために必要な栄養素が含まれています。野菜不足になると健康面でトラブルが増えてくるのも当然なのです。

【肌荒れ、口内炎】ビタミンB群、ビタミンC
肌や粘膜を保持するのはビタミンB群とビタミンCの働きです。

【便秘】食物繊維
野菜に多く含まれる食物繊維は便通を良くする働きがあります。食物繊維は腸内で水分を吸って膨らむので隙間ができて便通を改善するのです。便秘になると腸の中で消化したものが腐敗するなど様々なトラブルの原因になります。それは肌荒れにもつながってきます。

【高血圧】カリウム
カリウムは塩分を体外に排出する働きがあります。葉野菜や海藻類、バナナやりんごに多く含まれます。

【肥満、糖尿病】食物繊維
最近は「ベジファースト」でも知られるように、野菜を先に食べることで健康的な食事方法があります。食物繊維は糖分の吸収をゆっくりにすることで急激な血糖値の上昇を抑える効果があり、肥満防止や糖尿病の予防につながるのです。肥満は高血圧の原因ともなります。

【むくみ】カリウム
体内の塩分濃度が高いとむくみにつながります。むくみが常態化するとセルライトの生成も起こるので、肥満の原因となります。

ほかにも抗酸化作用がある野菜なども数多くあります。生活習慣病の予防やアンチエイジングなど、野菜から得られる栄養素の働きは数えきれません。

野菜不足を解消すれば健康に!

野菜不足が起こす健康トラブルは相互に関係があり、ひとつの病気が他の病気の原因となって連鎖していく可能性があります。
逆に考れば、食生活が野菜不足でなければいろいろな方向から健康な身体をサポートしてもらえ、病気や疾患をあらかじめ回避できるということです。

と言っても、野菜を食事だけで充分に摂ることは難しい面もあります。
サプリメントや野菜ジュースなどを合わせて、できるだけたくさんの量と種類の野菜を摂取するようにしましょう。